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神に役立つように

今度は喩え話に登場する人物について考えてみましょう。「ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた」17。主人は、留守中、財産を管理するように、僕の一人ひとりに異なる金額を託します。一タラントン預かった男の行動に注目しましょう。彼はずるい態度をとりました。あまり切れない頭で考えた末に、「土を掘って、主人の金を埋め(る)」18ことに決めました。

 仕事の元手を放棄してしまったこの男は何をしようと思ったのでしょうか。無責任にも、預かったものをそのまま返すという楽な道を選びます。一分一秒は言うに及ばず、長い歳月、果ては自分の一生までも虚しく費やすことでしょう。他の僕は、正直に運用して得た利益を加えて預かった以上の金額を主人に渡そうと、高潔な態度で必死に商売に励みます。主人の言葉は明々白々であったからです。「わたしが帰って来るまで、これで商売しなさい」19、主人が戻ってくるまでに責任をもって収益をあげよ。ところが一タラントンの男は言い付けを守らず、無益な時を過ごしてしまいました。

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