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  統治の任に当たっているあの人を見て、私は悲しくなった。人生に付きものの何らかの問題があることはうすうす感じてはいたが、実際に問題のあることを知らされて、彼は驚き、そして不愉快に思った。何も知らずに、薄暗く陰のような自分の見方に閉じ籠もり、心を乱されずに生きていたかったからである。

っきりした率直な態度で問題に対処するよう勧めてあげたが、それは問題を解決して、本当に平和な心で生きることができるためであった。

自分の問題にしろ、他人の問題にしろ、問題を無視するなら解決はおぼつかない。そんな態度は、方便であり怠慢、悪魔にどうぞお入りくださいと言うに等しい。

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