28

  あの純朴な人は真っ赤になって、涙を流さんばかりであった。真面目に稼いだ金を物惜しみせず善い業に用立てたのに、〈いわゆる善良な人たち〉から卑しいやり方だと決めつけられたからである。

神のための戦いで初心者だったその人はつぶやいた。「連中は私が犠牲を払っているのを見ておきながら、さらにまた私に犠牲を強いる」と。

静かに語りかけてあげると、私の十字架に接吻した。そして、怒って当然と言うべき彼の憤りは平安と喜びに変わった。

この点を別の言語で