166

  あなたには、上手く噛み合わない二つの部分、すなわち頭と感情がある。

信仰に照らされた知性は、道を示してくれるだけでなく、その道を英雄的に歩むか、愚かな歩み方をするか、この両者の間の大きな違いを教えてくれる。特に、三位一体の神が私たちの手にお任せになった事業の、神的な偉大さと美しさを見せてくれる。

それに引き替え、感情は、あなたが軽蔑するものすべて、いま現に軽蔑しているものにさえ執着する。無数の小さな事柄が機会を狙っているようだ。そして、体の疲れからか、超自然的な見方を失ったためか、あなたの意志が弱まったとみる否や、それら小さな事柄が押し寄せてきて、あなたの想像をかきたて、ついには、山となってあなたを苦しめ、落胆させる。仕事の辛さ、従順への抵抗、手段の不足、夢に見る楽な生活、大小さまざまな忌むべき誘惑、めそめそした感情の疼き、疲れ、霊的な生温さがもたらす苦しみなど。そして、時には恐れ、すなわち、聖人になれと神がお望みなのにそうはなっていないことから来る恐れも。

厳しい言い方だが許してほしい。あなたには後戻りする〈動機〉が掃いて捨てるほどあるが、神のお与えになる恩恵に応える大胆さが不足している。もう一人のキリスト、〈同じキリスト〉となるよう召されているというのに。あなたは使徒聖パウロに対する師の訓戒を忘れているのだ。「あなたにはわたしの恩恵で足りる」。これは、望みさえすればあなたにもできるということの確認である。

この点を別の言語で