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 後にも先にもこれ以上の馬鹿はあるまいとも言うべき前代未聞の馬鹿は〈彼〉である。誰のために身を捧げたかを考えてみれば、〈彼〉の狂気のような献身にまさる献身があり得るとは考えられない。

 なぜこう言うのか。いたいけない幼子になってくださったこと自体が狂気の沙汰だからである。しかしそれだけなら、大勢の悪人も敢えて手荒く扱わずに心を和らげたことだろう。まだ足りないと考えられた御方はさらに遜(へりくだ)って自らを捧げ、食物となられた。パンになってくださったのである。

 神的な狂気としか言いようがない。「人々はあなたをどのように扱っているのでしょうか」。「私自身はどうでしょうか」。

聖書への参照
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