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 偽(にせ)の使徒の光を見た人々は、闇から出てその明るさに近づいたとき、がっかりすることだろう。そこへ行くには走らなければならなかった。道の途中で皮膚が傷だらけになることもあっただろう。光を渇望するあまり魂をずたずたにした人もいただろう。そしてやっと偽の使徒のもとに着いたと思ったら、あるのは冷淡さと闇。わずかのあいだ理想を信じた人たちの傷ついた心を満たすのは冷淡さと闇のみである。

 偽の使徒の邪悪な仕業である。燃え上がる火や素晴らしい愛徳のルビーとであれば、自らの肉体さえ交換する覚悟でやって来た人々も、がっかりして再び元のところへ落ちて行く。燃え尽きた心、心と呼べない心、やがて頭脳さえ真っ暗にするような闇に包まれた一片の氷のごとき心で、落ちて行くのである。

 矛盾だらけの偽の使徒よ、自らの仕業を見よ。口先でキリストの名を呼ぶが、お前の行いはキリスト不在である。自分が持たない光で人を引き付けるが、愛徳の熱は持っていない。見知らぬ人を気遣うふりはするが、仲間のことは無視する。お前は嘘つきで、嘘は悪魔の申し子である。だからお前は悪魔のために働き、私たちの主に付き従う人々を迷わせる。そしてこの世でしばしば勝利を得るとしても、哀れな人間よ、私たちの友なる死の訪れる日、お前が決して欺(あざむ)き通せなかった審判者の怒りを目にするだろう。主よ、矛盾は嫌です。矛盾だらけの生き方は決してしたくありません。

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