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毎日の生活については、ヨセフはイエスの先生でした。毎日、御子と細やかな愛情のこもった生活をし、喜んで自分を捧げながら御子の面倒をみました。これは、この義人、旧約の信仰の頂点に立つヨセフを、内的生活の師と考えるよい理由ではないでしょうか。内的生活とは、キリストと一致するために、彼とたゆまず親しい交わりを続ける以外の何ものでもありません。ヨセフはイエスについて、たくさんのことを教えてくださいます。それゆえ、聖ヨセフヘの信心をおろそかにできません。旧約聖書は、キリスト教の伝統が伝えてきたように、「ヨセフのもとへ行きなさい」25と教えているからです。

 内的生活の師、職務に熱心な労働者、イエスとの弛まぬ交わりをもつ神の忠実な下僕、これが聖ヨセフです。「ヨセフのもとへ」。キリスト信者が神のものであるにはどうすればよいのか、また、社会にいながら社会を聖化するにはどうすればよいのかを聖ヨセフから学ぶことができるのです。聖ヨセフと親しく交流を続けましょう。そうすれば、イエスに出会うことでしょう。そしてまた、ナザレの愛すべき仕事場をいつも平和な雰囲気で包んだ聖マリアにお会いすることができるでしょう。

聖書への参照
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