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職業生活は模範としての価値を持つ

使徒職とは一連の信心行為を実行することである、と考えるのは間違いです。私たちはキリスト信者であると同時に、社会人であり勤労者です。本当に聖人になりたいのなら、与えられた義務を模範的に果たさねばなりません。私たちを急き立てるのはイエス・キリストです。「あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである」13。

 どのような種類の仕事をしていても、同僚や友人を照らす灯になることができます。オプス・デイの召し出しを受けた人たちに私が常に繰り返すことがあります。それは今、わたしの話を聴いてくださっている人々にも当てはまります。誰それはエスクリバー神父のよい子で、よい信者だが、靴屋としては最低だと、噂されるようなことが万一あれば、聞き捨てにできません。自分の仕事をよく研究し、心を込めてやり遂げようとしないのなら、仕事を聖化することも、神に捧げることもできないでしょう。現世の事柄に浸っていながら、神と親しく交わる決意をした者にとって、日常の仕事の聖化とは、真の霊性の要なのです。

聖書への参照
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