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最初から埃が雲と舞い上がることもあるでしょう。それと同時に、聖性の敵が権力を濫用し、見事に組織された激しい心理的テロ行為の技術を用いて、長い間、正しく筋の通った態度を堅持していた人々を、自分たちの卑劣な行為の仲間に引き込もうとすることがあります。敵の声は、不純な金属で鋳造された鐘が壊れた状態で出す響きのようなもの、牧者の口笛とは明らかに異なっている。ところがその声は、人間が神から受けた賜物の中でも特に貴い、言葉という賜物を、下品なものにしてしまうのです。言葉は実に、神や人間との愛と友情について、気高い思いを表現するための非常に美しい賜物であるのに。おかげで、なぜヤコブが、言葉は「不義の世界」11であるというのか、そのわけを否応なしに納得させられます。言葉は、虚偽や中傷、名誉毀損やごまかし、侮辱や陰険な陰口など、数知れぬ悪のもとになり得るからです。

聖書への参照
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