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聖母マリアと本当に親しく交わるようになれば、超自然の徳を増すことができます。一日何度も、短い祈りや射祷を繰り返しましょう。声に出す必要はない。心の祈りにすればよい。このように、燃えるような賛辞をたくさん集め、聖なるロザリオのあとの祈り<聖マリアの連祷>を作りあげたのはキリスト者の信仰心でした。誰でも自由にその数を増やし、聖母に新しい賛辞を捧げることができます。聖なる慎みから敢えて口にしないことも、これらの祈りに託して聖母に打ち明けることができるのです。

この祈りのひとときを終えるに当たって勧めたいことがあります。まだ経験したことがないようなら、ぜひ試してみてください。聖母の愛を自分で体験することです。マリアが母であることを知り、そのことを口にするだけでは充分でないでしょう。マリアはあなたの母で、あなたはマリアの子。あたかもこの世で唯一の子であるかのように、あなたに愛を注いでくださる。マリアの子になりきって聖母に近づきなさい。あなたに起こるすべてをお話しし、敬いと愛を捧げてください。誰もあなたの代わりをすることはできません。あなたほど上手にそれができる人はいないはずですから。

このようにすれば、すぐにキリストの愛がどのようなものであるかが分かるでしょう。父なる神、子なる神、聖霊なる神の、言葉に表すことのできないほど素晴らしい生命にあずかる自分に気がつくのです。

神のみ旨をことごとく果たすための力を引き出し、すべての人に仕えたいという望みに満たされて、しばしば夢にまで見る理想のキリスト者になることができます。愛と正義の行いに精を出し、常に明るく勇気溢れた人、隣人には慈しみ深く、自らには厳格な人になることができるのです。

これこそ正に私たちの信仰の特長です。聖マリアのもとに駆け寄りましょう。聖母はしっかりとした常に変わらぬ歩みで私たちに付き添ってくださることでしょう。

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