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今はこの話をするのにちょうどよい機会だと思います。それは初代教会の信者の熱意溢れる素晴らしい使徒職物語です。イエスが天にお昇りになってから四半世紀も経たぬうちに、すでに多くの都市や村落でイエスの名声は高まっていました。「アポロという雄弁家が、エフェソに来た。彼は主の道を受け入れており、イエスのことについて熱心に語り、正確に教えていたが、ヨハネの洗礼しか知らなかった」36。

アポロの心にはキリストの光が射し込み始めていました。キリストについて聞き知っていたのです。そこで、人々にもそれを伝えます。しかし、もっと深く知り、完全な信仰を得て真に主を愛するには、いま少し欠けるところがありました。たまたま、アキラとプリスキラという信者夫婦がアポロの話しぶりを耳にしますが、そのまま、無関心な態度で放っておきません。この人はかなりよく知っているし、私たちは彼に教えるよう頼まれているわけでもない、などとは考えませんでした。使徒職に対して本当に熱心な二人でしたから、アポロに近づいて、「彼を招いて、もっと正確に神の道を説明した」37のです。

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