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たとえ、惨めさだらけではあっても、心の底に聖人になろうという、燃えるような熱い望みを育てなければなりません。こう言っても驚かないでください。内的生活に進歩するにつれて、自分の欠点がいよいよあからさまに見えてくるものです。内的生活が深まるにつれ、神の恩寵が虫眼鏡のような働きをするようになり、微少な埃や泥、あるいはほとんど目につかないくらいの砂粒でさえ、拡大されて大きく見えはじめる。霊魂が神的な繊細さを身につけると、神の清さのみを憧れる良心は、ごく小さな影にも焦躁を感じるようになるのです。その時こそ、心の底から申し上げるときでしょう。主よ、本当に聖人になりたいのです。すべてを投げ打ってあなたに従い、あなたにふさわしい弟子になりたいのです、と。そしてすぐに、心を奮い起たせる偉大な理想に、日々新たな心で立ち向かう決意を固めなければなりません。

 イエスよ、あなたへの愛によって、ここに集う私たちが最後まで堅忍できますように。あなたご自身が心に蒔いてくださったこの熱意を行いに表すことのできますように。幾度となく自分に問いかけてみてください。私は何をするためにこの世にいるのだろうか。すると、毎日の仕事を、愛を込めて仕上げ、小さなことにも努めて気を配ることでしょう。聖人たちの模範に目を留めましょう。私たちと同じく、弱さと欠点をもつ生身の人間でしたが、神を愛する心から弱さや欠点に打ち勝ち、克己できたのです。聖人たちの行いを黙想し、花から純度の高い蜜をこし出す蜜蜂のように、教えを引き出そうではありませんか。また、周りの人々がもつ多くの自然徳(人間徳)を身につけたいものです。熱心な仕事ぶりと自己放棄の精神や喜びについて教えてくれるでしょう。そして、どうしても兄弟的説諭で助けてあげる必要のある場合を除いて、人々の欠点には必要以上にこだわらないよう努力しましょう。

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