190

昨今ほとんど奇跡は起こらないという声を耳にします。信仰の篤い人があまりいないからではないでしょうか。「求めよ。わたしは国々をお前の嗣業とし、地の果てまで、お前の領土とする」1と言われた神が、約束に背くとは考えられません。私たちの神は真理そのもの、存在するものすべての基ですから、全能の神がお望みにならない限り、何ひとつ実現しません。

「始めにありしごとく、今もいつも代々に至るまで」2。主に転変はありません。ひとつとして欠けるものはないのですから、探し求めて動き回る必要などないのです。神は、動きそのもの、美の美であり、偉大なお方、今も昔も全く同じ方です。「天が煙のように消え、地が衣のように朽ち、地に住む者もまた、ぶよのように死に果てても、わたしの救いはとこしえに続き(…)」3とあるとおりです。

 神は人間との永遠に続く新しい契約を、キリストにおいて結んでくださいました。ご自分の全能を人々の救いのために役立ててくださったのです。人々が信頼を失い、信仰不足ゆえに震えおののく時、イザヤが主の名によって告げる言葉が再び響きわたります。「わたしが来ても、だれもいないのか。呼んでも答えないのか。わたしの手は短すぎて贖うことができず、わたしには救い出す力がないというのか。見よ、わたしが叱咤すれば海は干上がり、大河も荒れ野に変わる。水は涸れ、魚は異臭を放ち、渇きのために死ぬ。わたしは、天に喪服をまとわせ、粗布で覆う」4。

この点を別の言語で